日証金の抱える問題点

軽視される株主価値

解散価値未満の株価

 実際に日証金の株価を見ると、解散価値を大きく下回って推移しています。これは、日証金が日本の資本市場における唯一の証券金融会社として市場を独占している事業、および兼業が認められているその他事業の価値について、低い評価が継続していることを意味しています。

低迷するROE

 日証金のROEは一般的に上場企業に最低限求められる水準である8.0%を大きく下回って推移しています。中期的な経営方針においても、 ROEの目標は2022年度までに4%、2025年度までに5%と低く、一向に改善の兆しが見えません。
 ROEが低い原因は、貸借取引業務のリターンが低いことのみならず、それ以外の事業等に係る賃貸不動産や有価証券等の低リスク低リターンの資産を保有していることも原因の一つです。このような資産は速やかに売却し、株主還元や本業への投資、そして小幡取締役が「経営トップには資質不足」と評する社内人材に投資して、株主価値向上を図るべきであると、弊社は考えます。

(出所:QUICK ASTRA MANAGERより弊社作成)

 そこで、弊社は日証金の保有する純投資目的の有価証券と政策保有株式を速やかに売却することを求めて、株主提案を行いました。

不透明な議決権行使

「日本株式会社」の大株主である日証金

 日証金は本業である貸借取引によって、名義の上では日本の多くの上場企業の大株主になります(※)。
2021年12月までに終了した直近の本決算時点では、日証金は384社の大株主となっており、日証金名義の株式の時価は5,000億円を超えます。

※詳細については日証金ウェブサイト「弊社名義となっている株式についてご理解を深めていただくために」をご参照下さい。

また、名義上、筆頭株主となっている会社や、5%以上の株式を保有する会社も存在します。

(出所:QUICK ASTRA MANAGERより弊社作成、※日証金が保有する自己株式も含む。)

弊社は、この5,000億円超の株式に付随した議決権の行使状況が不透明なことに、強い危機感を抱いています。

企業理念と矛盾した議決権行使の実態

 日証金はこの5,098億円相当の議決権について、原則として「白票」で行使すると弊社との面談で発言しています。しかし、そもそも「白票」は事実上、会社提案への賛成及び株主提案への反対を意味しており、個別企業の状況を加味しない「白票」の行使が不適切であることは明白です。例外的に議決権を白票以外で行使するための基準も一切開示されていません。多くの金融機関が、スチュワードシップ責任のもと議決権行使基準及び議決権行使結果を開示していることとは対照的であり、日証金名義の議決権が5000億円超に上ることを鑑みれば、あまりに無責任な行為であると、弊社は考えます。
 個別の議決権行使を開示することで、例えば「日銀OBの天下りを容認するのか否か」といったように、その会社の経営に対する基本方針をうかがい知ることができます。

(注:日銀の買付対象ETFであるTOPIX/日経225/JPX日経400/JPX/S&P 設備・人材投資指数に連動したETFの管理会社となっている資産運用会社を調査対象とした。)

 何より、日証金は企業理念において、「証券市場の発展に貢献することを使命」に掲げています。日証金は自社の企業理念に従い、不透明な議決権行使を透明化することにより、証券市場の発展に貢献する使命を果たすべきであります。

(出所:日証金「経営理念・経営方針」より弊社抜粋)

 そこで、弊社は日証金の企業理念の実現を企図して、「原則として議決権は不行使とし、株主価値の毀損が明らかな例外的な場合のみ、個別に賛否を検討して議決権を行使し、その議決権行使の理由を適時開示すること」を株主提案いたします。

株主提案(2022年)について

 株主提案(2022年)については、こちらからご覧ください。